健康経営の一環としての「メンタルヘルス」とは?

高の自分を引き出す!
ンタルトレーナーの森川 祐子です。

 

昨日は、社労士の先生方の勉強会で、メンタルヘルスラインケアについて、セミナーをさせていただきました。参加者は社労士法人を経営されるベテランの先生から、現場で活躍される若手の先生と、さまざまなキャリアの方々がいらっしゃいました。

 

”社労士”は私たちカウンセラー同様に、メンタルヘルスに深くかかわる立場にある人たちです。そこで普段の研修ではあまりお伝えしないような「社労士、心理カウンセラー、産業医の三者においては、かかわり方がどう違うのか?」といった話には、興味をもってくださる方が多かったです。

 

特に昨今、メンタルヘルスにおける重要ポイント

1、法令遵守
2、労務管理の重要性
3、健康経営の一環

 

といった3つの観点からも、メンタルヘルス問題は人事労務といった部署にとどまらず、経営課題として取り組むべき問題であるとのお話もさせていただきました。終了後アンケートでも、非常に好評を得られました。

 

さてこの3つ目の「健康経営」を、ご存知でしょうか?

 

当たり前のようにこの言葉を使っていたら、ある人から「健康経営って、企業の財政(財務)が健全なこと?」と聞かれました。馴染みがないと、そのように受け取られても不思議ではありませんね。

 

そこで、ぜひ知っておいていただきたい健康経営について、経済産業省がまとめた企業の「健康経営」ガイドブックをもとにご紹介させていただきます。

 

1、健康経営が求められる背景とは?

 

「健康経営」とは?

従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のことをさします。

 

昨今、企業を取り巻く状況は変化しており、「働く人たちとその家族の健康」という要素は、企業経営において大きな影響を与えています。

 

従業員が健康でなければ、働き続けることができません。また家族の誰かが重い病気になったり、介助が必要となれば、辞めざるを得ない可能性もあります。つまり企業にとっては、働く人たちが、健康であるということは、企業存続=サステナビリティという観点からも、「従業員の健康」に、積極的にかかわっていく要件であると言えます。

 

それも身体も、心も健康であることが重要ですね。

 

いまや国民の医療費は、今や健康組合の財政を圧迫しており、いつ破綻してもおかしくないと言われています。今は、なんとか企業がその保険料負担を増加することで、賄われているのが現状です。

 

【国民医療費の推移】

健康経営と国民医療費推移

*経済産業省 企業の「健康経営」ガイドブックより

 

以下の図でもわかるように労働人口が減少を続け、今売り手市場が続いているせいもあってか、どの業界も労働力を獲得することが困難となっています。加えて、働く人たちの健康状態が悪化すれば、企業の成長は脅かされ、生産性低下のみならず、有能な人材も離れていってしまう可能性があります。

 

平成27年 人口ピラミッド

*総務省統計局データより平成27年時点の人口ピラミッド

 

つまり従業員やその家族の健康維持、増進への取り組みは、「健保組合がやってればいい」「従業員の自己責任」というだけではなく、企業が主体的に推進していくことが必要になってきているのです。

 

しかし、実際に「健康経営」問題に取り組むとなると、「うちにはそんなことをやっている人手も時間もない」「起きてもいないリスクに余計なコストをかけられない」と考える経営者もいるかもしれません。

 

そこで今は国をあげて「健康経営」への理解を促し、働きかけていこうとする動きが見られるようになりました。では、その具体的なメリットとはどのようなものなのでしょうか?

 

2、「健康経営」を行うことのメリットとは

 

前項でも少し触れましたが、働く人たちの健康を経営課題としてとらえ、「健康経営」に取り組むということは、従業員の健康保持・増進、生産性の向上、企業イメージの向上につながるものであり、ひいては、企業の活性化につながるものと考えます。

 

健康経営のメリット

*経済産業省 企業の「健康経営」ガイドブックより

 

また、健康経営に積極的に取り組む企業を、株式市場で評価する仕組みが作られ、2015年以降「健康経営銘柄」として選定されました。TOPIXとの比較において、株価が優位に推移しており、市場からも高く評価されていることが伺えます。

 

つまりは、従業員の健康と安全に注力することが、市場における競争力の優位性を保つことになっていると考えられます。

 

3、健康経営とメンタルヘルス

3-1、身体の健康、心の健康

 

健康は、身体の健康のみならず、心の健康も同じくらい大切です。

 

ひと昔前の管理者における「安全配慮義務」とは、メーカーや工場など、ヘルメットを着用するような現場をイメージされることが多かったようですが、昨今では、メンタルヘルス不調に関してのニーズが高まってきています。

 

身体の不調の兆しと言えば、本人が変調に気づくということもありますし、健康診断によってわかることもあります。

 

「血圧高めなので、塩分を控えよう」「血糖値が高めと言われた。運動した方がいいかな」「尿酸値が・・・ビールを控えよう」など、数値化されることで、健康に対しての関心も高まりますし、対策も明確です。

 

しかし、心の不調は本人の体感でしかわかりません。しかも慢性的に、疲労がたまっていたり、うつっぽいなどという人は、変調も気付きにくいものです。

 

しかも、いざ病院にかかろうと思っても、心療内科や精神科医は敷居が高いような気がして、足が遠のいてしまいます。身体の不調だと「変だな」と感じたら、3日〜1週間以内で受診されることが多いですが、心の不調に関しては、変だと感じてから、1〜3ヶ月程度様子を見るということが少なくないようです。

 

企業にとっては、従業員に健康診断を受診させることは義務となっており、ある程度スクリーニングができるわけですが、心の不調については、本人の主観でしかない。上司や人事部に報告が上がってきた時には、かなり状態が悪くなってからわかるというのが、実情です。

 

それが、ようやくストレスチェックが始まったことで、働く人たちのメンタルヘルスへの関心が高まってきたように思われます。

 

そうは言っても健康診断と違って、ストレスチェクの結果は、本人に直送されるため、会社側は結果を把握することができません。少しでも心の状態に目を向けてもらって、不調になる前に、対処できるようになることが望まれますね。

 

3-2、企業が行うメンタルヘルス版「健康経営」とは

 

「健康経営」を戦略的に実践するためには、組織のマネジメントの一環として、健康経営を体系的に理解し、その実践方法を検討していく必要があります。

 

「健康経営」といった流行としてパフォーマンス的に実施するものではなく、「健康経営」の取り組みが経営基盤であることをもとに、現場で実施されていかなければなりません。

 

そのために

1、経営理念・方針
2、組織体制づくり
3、制度・施策実行
4、評価改善

といった流れにのっとって、具体的に実践方法、スケジューリングを決めていくことが望ましいです。

 

 

 

1、経営理念・方針について

 

経営トップがその意義や重要性をしっかり認識するとともに、その考えを社内外に示していくことが重要です。理念の中で明文化したり、企業として健康経営に取り組む姿勢を従業員や投資家等、さまざまなステークホルダーに見せていくことが、組織全体の信用にもつながるはずです。

 

2、組織体制づくり

 

組織における体制を整えるためには、方針に応じて、専門部署の設置や人事部など既存の部署に専任の人を置くなどの対応が考えられます。また、取り組みの効果を高めるため、従業員の健康保持・増進を担当する社員について、専門資格を持つ人を配置する、担当する人に対しての研修の実施などすることも考慮していかなければなりません。

 

3、制度・施策実行

 

いざ制度を実行するとなると、経営トップ(事業主)、産業医 や保健師等の産業保健スタッフ、健康保険組合、労働組合、従業員等様々な立場の人たちがかかわっていく必要があります。どこかの部署だけ、担当者だけに押し付けてしまうとうまくいきません。

 

お互いに連携し、補いあいながら実行していくことが必要となります。

 

〜施策に関する補足記事〜
・部下が休職となったら?
管理者であれば知っておきたい!休職〜復職までの実践

・メンタルヘルス不調の兆しが見える部下への対応が知りたい
部下のいつもと違う様子が気になるけれどどうしたらいい?

・産業医にお願いすべきこと。衛生委員会について
メンタルヘルス対策!ストレスチェックや研修を行うだけで十分なのでしょうか?

 

4、評価・改善

 

企業が健康経営を実践するにあたり、効率的な健康経営 PDCA サイクルを循環 させるためには、企業の健康経営投資がどの程度従業員の健康増進、その結果として想定される企業経営上の効果を把握する必要があります。

 

その尺度となるものが、見えづらいため健康経営評価フレーム概要をもとに解説がありましたが、ここで詳しく述べることはかなりページを割くため、割愛いたします。

 

興味のある方は、経産省の健康経営ガイドラインをご覧ください。

 

4、まとめ

いかがでしたでしょうか?

健康経営について、イメージできましたでしょうか?

大事なことは、時間や資金に余力があるから行うことではなく、先々のリスクを見据え、今から従業員の健康を守るために取り組むべき経営課題であるということです。

 

弊社では主に、メンタル面でのサポートをさせていただいております。

研修、トレーニングといった集団に向けてのサポートから、個人向けにはカウンセリングやメンタルトレーニングも実施しております。経営者の皆様や、人事労務ご担当者さまからの要望に合わせ、プログラムを組ませていただいております。どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

代表 森川 祐子

 

 

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