秋という季節がメンタルヘルス不調になりやすい理由

秋という季節とメンタルヘルス

高の組織力を引き出す!
ンタルトレーナーの森川祐子です。

 

すっかり秋ですね。昼間は蝉の鳴き声が聞こえるかと思えば、涼やかな虫の音も楽しめる良い季節です。

秋といえば、何を想像しますか?

「食欲の秋」「運動の秋」「読書の秋」・・・過ごしやすい季節だからこそ、いろいろ楽しみたいものです。

 

しかし、メンタルヘルス的に見ると、健康な人にとっては、とても過ごしやすい季節なのですが、今体力が落ちている、ストレスが溜まっている人にとっては注意が必要です。

 

秋ならではの「気をつけたいこと」をチェックしてみましょう!

 

1、つい食べ過ぎちゃって・・・それは「秋」だからですか?

 

「食欲の秋だから、何を食べても美味しくって!」

食事を健康的に楽しめ、美味しく感じられるとすれば、「食べる」ことは精神的にもよいものです。

 

しかし食欲というものは、心が健康ではない時にも、無性に食べたくなったりするものです。もしストレスがたまるとついつい食べ過ぎてしまうと感じているなら、少し注意が必要です。

 

その場合、2つ気をつけたいことがあります。

 

1つ目はストレスがたまっている時というのは、たいがい今自分が置かれている状況をうまくコントロールできていません。一方「食べる」という行為は自分でコントロールできるもの。つまりは状況をコントロールできないストレスを無意識に食べることで解消しようとするため、食べ過ぎてしまうことがあります。

 

2つ目は、精神的ストレスからエネルギーが落ちている場合です。下がったエネルギーを高めようとして、お腹がそれほど空いていないにもかかわらず、ついつい「食べ過ぎてしまう」ということがあります。

 

漢方の世界でも「食べる」という行為は「気」を高めることとつながっていると考えます。たしかに食べることで血糖値が上がって、一時的に満たされますが、ジャンクなものや甘い物ばかりに偏ってしまうと、身体の負担につながります。

 

いずれも、身体が求める「空腹感」からきているわけではなく、精神的なことが原因で起こる欲求であるということ。

 

このような食べ方をすると、体重が増えたり、体型的にも偏りが出てそれがストレスにもなります。食べ物を口にする時に「本当に今、これを食べたいのか?」ということを、自分の身体に聞いてみるといいですね。

 

2、行楽シーズンの「秋」イベントで忙しくなり過ぎていませんか?

「秋」は運動会があったり、出かけたりする機会が多いもの。いずれも疲れをためずに楽しめる場合には問題ありませんが、休日をイベントで忙しくしてしまうと、身体を休ませる時間がなくなってしまいます。

 

健康な人であれば、多少の疲労は乗りきれるでしょう。

 

しかし日頃から睡眠不足で、疲労がたまっている人は、イベント等忙しくなることで、さらにストレスがたまっているかもしれません。

 

そもそも、イベントに参加する動機が、純粋に「楽しみたいから」という理由であれば、よいでしょう。しかし『誰かの顔色を見て、参加しなければならない』『つきあいで』『仕方がないから・・・』だとしたら、ストレス発散どころか、溜め込んでしまう原因になっているかもしれません。

 

3、「秋」は過ごしやすい気候だけど、気温差が大きい

 

この時期の特徴として、日中は汗ばむけれど、夜は10℃ほど下がって、上着がないと肌寒い・・・。かと思えば、日中の最高気温も上がりきらず、上着一枚では寒いと感じる日があります。

 

こうした日に、体温調節がうまくいかなくなると、体調を崩してしまいますね。

 

身体と心はつながっています。体調が崩れるだけで、気持ちも落ち込みやすかったり、ネガティブになりやすいものです。特に身体が冷えやすい人は注意が必要です。

 

食べるもので身体を温める、シャワーだけですませずにしっかり入浴する、素足で出かけない、その日の最低気温に対応できる服装を意識する、など、体調管理にも心がけたいものですね。

 

4、秋のメンタル不調にそなえて、メンタルを元気にする3つの方法

メンタル不調の要因がわかったら、次は不調にならないよう、日常的に実行できる3つの方法をご紹介いたします。

 

1、睡眠不足は3日を目安に調整する

忙しくなると足りなくなるのが「睡眠」

 

普段研修をしていて、参加者に睡眠時間をたずねると「6時間以上」と答える人は概ね7割ほど。平日5日間勤務が続けば「6時間」だとしても、疲労もたまってきて、十分とは言い難いです。

 

多くの人は週末の休みで、睡眠不足を解消していることと思いますが、それだと疲労の蓄積が大きくなるため、望ましいのは3日の間で調整することです。平日勤務の方だと、ちょうど水曜あたりで睡眠不足を解消できるといいですね。

 

質の高い睡眠とは、目覚めた時に「ああ、よく寝た〜」となる状態です。こうなるには6時間では足りないように感じます。

 

実は最近の報告で、高いパフォーマンスを出す人の多くは、7〜8時間以上の睡眠を確保していると言われています。ですので本来はコンスタントにこれくらい眠れるのが理想です。

 

ですが、長い時間は無理という人は、せめて眠りの質を高められるような睡眠を意識したいものですね。詳しくは「質の高い眠りを得るための5つの方法」で紹介しています。

 

 

2、「何か食べたい!」と思ったら、お風呂に入る

 

ストレスがたまって、イライラしたり、なんとなく口さみしくて食べてしまう・・・という方、ぜひ「湯船につかる」ことをおススメしています(できればシャワーではなく)「何か食べたい」という衝動が抑えられるはずです。

 

実は「お風呂に入る」でなくてもかまいません。

なぜなら大事なことは「五感に心地よい刺激を与える」だからです。

 

「五感に刺激を与える」なので、テレビや映画を見たり、音楽を聴くというのも悪くないのですが、これだと手持ち無沙汰になって、「テレビを見ながら何か食べたい」となりやすいので、食べられない環境に身を置くというのが効果的です。

 

同じ理由で、マッサージを受けにいったり、運動をする等「〜ながら」で食べることができない状況を作るとよいです。

 

あとアロマを焚くもいいかな。柑橘系のアロマなどは、食欲が落ち着きます。

 

五感を通して、心が十分に満たされてくると、「食べる」という行為で無理に満たそうとしなくなります。だからこそ「心から心地いい」と思うことをしてあげてくださいね。

 

 

3、「セロトニン」を増やすよう意識する

これからの時期、どんどん日照時間が短くなっています。それにともない太陽光を浴びる量も少なくなっていきます。

実は日光浴をすることで、「セロトニン」の分泌がうながされています。そのため冬期はセロトニン量が減少するため、”冬季うつ”が増える傾向にあります。

 

北欧(北ヨーロッパ)は、冬になると日照量が激減するために、気分がふさぎ込む人が増えるそうです。北欧雑貨や家具は色のキレイなものが多いですよね。これは冬を少しでも楽しく過ごすために、おうちの中をカラフルにしようとするようになったからだと言われています。色彩心理の観点からも心理的にプラスに働くことがわかっていますから、これは日本でも見習うといいですね。

 

日光浴をおススメというと、女性はどうしても日焼けを気にして、紫外線防御する人が多いですが、健康面から見たら少しは浴びた方がいいようです。ちなみに太陽の光を浴びることで、ビタミンD(これは骨の形成に必要だとされています)も体内で作られるため、骨粗しょう症予防のためにも、適度に日光浴することは必要だということがわかりますね。

 

そのほかにも「セロトニン」を増やす方法があります。

 

それが「食事」です。

 

セロトニンを体内で生合成するためには、その材料が必要です。その材料となるものは何だと思いますか?

 

そう・・・「たんぱく質」なのです。

 

ぜひ「肉」「魚」「乳製品」「豆類」「豆製品」を積極的に摂りたいものですね。

 

目安として体重1kgあたり1〜1.5gが必要と考えられているため(分子整合栄養学観点より)、体重50kgの人だと50〜75g必要ということになります。

 

ちなみに何をどれくらい食べたら、一日の必要量に達するかというと、生卵6.5g/個(たんぱく質量)ですから、1日8〜10個くらい食べるといい・・・?現実的ではありませんね。とにかくしっかり摂らないと足りないということになります。

 

ちなみに牛肉200g食べるとすると、この中に含まれるたんぱく質量は40gとなります。それにプロテインスコア0. 8(牛肉の場合)をかけて、加熱処理するためさらに半減。

200g → たんぱく質量 40g ×0.8=32g

=32g × 0.5(加熱処理)

16g

 

牛肉200g食べても16gですから、かな〜りしっかり摂らないと、足りません。

 

たんぱく質は、脳内物質の材料であるだけでなく、ホルモン(女性ホルモン等)筋肉、内臓、肌、髪、爪など体を構成するものは、ほぼたんぱく質を材料にしてつくられているため、適切に代謝を行うためにも、たんぱく質は非常に重要な役割を担っているのです。

 

ぜひ、日頃から「セロトニン」を意識した食事を摂りたいですね。

 

5、まとめ

 

いかがでしたか?季節の変わり目である「秋」をどう過ごすかによって、健全なメンタルヘルスに大きく影響します。厳しい寒さがやってくる前に、今からメンタルを整えていきましょう!

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