メンタルトレーニングの実践で会社の目標にやる気が出ないときの解決法
最高の組織力を引き出す!
メンタルトレーナーの森川祐子です。
あなたに目標はありますか?
その目標はいつから思い描いているものでしょうか?
そもそも目標は達成できると思っている人と、目標は一応立ててみたものの結局は達成できないものだと捉えている人がいます。
できると思っている人は、少なくとも一度でも「できた」という体験があるからです。そして「できない」と思っている人はうまくいったためしがない。そこそこの目標ならできるけれど、大胆なものや本当に叶えたいものは無理と思っている人など、様々ですね。
さあ、会社で課せられる目標に対する「捉え方」について考えてみます。
目次
1、会社の立てる目標にやる気がもてない
会社に属して入れば、必ず何かしらの目標設定がなされます。
例えば
・営業部門:当月当期の売り上げ目標!
・管理部門:経理や総務の各部署の経費節減!
・人事部門:採用目標
などなどすべての部署で、また直接利益にならなくても何かしらの目標が課されます。
会社の人間である限り、目標を課されること自体は仕方がないことです。しかし、この課せられた目標に対して意欲的になれる人もいれば、そうでない人もいます。
多くの人は会社の目標に対して、どう思っているでしょう?
「意欲的に取り組める」
「会社員だから仕方ない」
「面倒くさい」
「ほどほどにやっておけばいい」
「達成できるはずがない」etc.
「意欲的である」以外の人は、やらされる感があったり、我慢をしていたり、我慢できずに辞めてしまう人もいます。
ではどうしたら、会社の目標に対して前向きに取り組めるのでしょう?
2、会社の目標に対して、やる気を出せるようになるには
上司が部下に向かって「会社の目標に対して、やる気を持って取り組め!」と言ったところで、本心から「わかりました!今日からはりきっていきます!」となる人はまずいません。
では見方を変えてみましょう。最初からやる気をもって目標達成に取り組める人がいるわけですが、その人たちはどうしてやる気が持てるのでしょうか?
簡単です。
会社で頑張ることの先にあるものが、自分の目標と一致しているからです。
わかりやすい例で言えば、会社で得られる経済的な安定、ブランド力、スキル、キャリア、人脈などを手に入れたくて頑張る。それがあると仕事で評価される、異性にモテるなどです。
その他、会社がもつ理念や社会貢献活動、社長のカリスマ性など、自分の掲げる理想と一致した場合には、働く理由になりますね。むしろ理念や社会貢献などといったものは、給料が低く、休みが少なくても、そのことに関わっているということで深く満足感につながります。
当然、会社から課される目標の中には、自分のやりたくないこともあるでしょう。下世話な話、メリット&デメリット、これらを天秤にかけて、継続的に頑張れる人がいるのも事実です。
ただ給料や会社のブランド力などは、働き始めは効果がありますが、やる気の原動力としてはだんだん低下する傾向にあるようです。
またスキルやキャリア、人脈もある程度手に入ったとなれば、さらにスキルアップできる会社に転職していってしまうかもしれません。
そういう意味では、理念や社会貢献活動、カリスマ性のある社長の存在は、働く意義を感じさせ、働く自分に価値を見出させることで結果、継続して働けるのかもしれません。
ぶっちゃけ経営者側の目線で考えれば、給料の金額や福利厚生といった物理的なもので繫ぎ止めるより、理想や憧れといった感情を刺激してやるほうが愛社精神を育てることになります。
つまり、成果を上げ続けるために大事なことは、会社の目標と自分の目標を一致させるということです。
しかし目先のことしか見えてない人には、これができません。それは目線の高さが違うからです。
「鳥の目、虫の目、魚の目」聞いたことがありますでしょうか?
今いる環境で見えるものは、視点の高さによって変わるものです。多くの場合、「虫の目」的に目の前のことに一生懸命なりすぎて、俯瞰できなくなることが多くなりがちです。
様々な見え方があって当然です。しかし時には異なる目線で物事を見るということが必要な時があるのです。目標を見据える時こそが、その時ではないでしょうか。
3、「鳥の目、虫の目、魚の目」の先にあるもの。それはあなたの人生の目標
「鳥の目、虫の目、魚の目」と見え方を変えたところで、そこにあるものを見い出せなければ、目線を変えても同じことです。「会社の目標と言われると、ワクワクしない」と言う人でも「自分の人生の目標」となったらどうですか?自由に、なりたい自分の姿を描けそうですか?
人生の目標も大きな人生の流れのなかで、考えてみてください。
今、会社で働くことで身につくスキルやキャリア、人脈が、この先の人生で活かされるとしたら、最大限の努力は決して無駄にはなりません。
もしかしたら、今は会社での目標と自分の人生の目標との一致点が見い出せないということがあるかもしれません。でもどうしても辞めたい理由がないなら、とにかく続けてみるということも一つの方法です。
なぜなら後になって「あの会社で働いたことが役に立った」と思うかもしれません。多分、その思いは多くの人が経験しているものではないでしょうか。
プラスの経験だと明らかにわかるものから、当時は辛かったこと、ひどい目にあったということでさえ、「あの経験があったからこそ、今の自分があるのだ」と思えるかもしれません。
最初から見えている目標や、その目標から得られるであろうメリットなんて、たかがしれているのです。虫の目で見て考え得るメリットというものは、メリットと呼べるものではないかもしれません。成長し、自分の抽象度(視点の高さ)が変わったあとで見えてくる、人生の贈りものに気付けるかどうかは、あなた次第でとんでもない可能性になると言っているのです。
ただなかには、どうやっても会社の目標と自分の目標を一致させられない人がいます。
それはどういう人かと言えば・・・自己評価・自己価値の低い人です。
4、どうやってもやる気が持てない人
では、自己評価・自己価値の低い人とはどういう人なのでしょう。
例えば、就職難のなかようやく内定が出たとしたら、とても嬉しいですね!しかしその時は嬉しいのでしょうが、働き始めたらすぐに「給料が安いだの」「仕事が面白くない」「休みが少ない」だの、だんだんその会社で働く価値が見い出せなくなるのです。
一つの見方ですが自己評価・自己価値の低い人というのは無意識のところで「こんな自分を必要としてくれる会社には価値がない」と、とらえていたりするのです。
この考え方は、仕事のことだけではありません。恋人や人間関係においてもしかり。自分のことを好きだと言ってくれる異性に対しても心のどこかで「こんな価値のない自分を好きだという人のことは信用できない」と思っています。
なぜなら自分に対しての評価が低く、自分には価値がないと思うから、自分の選んだものに自信がもてない、信用できないと無意識レベルでとらえているのです。
すばらしい恋人がいたとしても、今度は逆に「こんなすごい人が私のことなんかを、本当に好きになるはずがない」
一流企業に入社したとしても、「何かの間違いで入ってしまった。場違いだ。他のみんなは優秀ですごい人ばかりなのに自分は全然だめだ」とより一層自分のダメさ加減が際立ってしまうわけです。事実かどうかは関係ありません。本人がそう思うことが、本人にとっての真実だからです。
以上のような理由でそういう意味で、適切な目標設定をするうえでは、「自分の価値を認められる」レベルにまで引き上げてやることが本来は必要だと考えます。
そういう意味で、カウンセリング領域(悩みの問題解決、自己評価・自己価値の向上)とコーチング領域を分けてとらえるという考え方は非常に有効です。
ただそうは言っても、自己評価・自己価値の問題は、表面的にわかるものではなく、掘り下げていくなかで見える問題でもあるため、考え方として知っておいていただければいいでしょう。
5、まとめ
いかがでしょうか?会社における目標と自分の目標は一致点を見い出せそうでしょうか?
また、一緒に働く従業員、部下の方々はどうでしょう?面談の機会があれば、会社の目標に対してだけでなく、個人的な人生の目標なども聴いてあげるとよいかもしれません。自分の人生の目標に親身に耳を傾けてくれる人が会社にいる、ということは非常に心強いものです。
特に、20代30代の人たちは、自分発信で意見を述べる機会が少ないと聞きます。なかでも社歴の浅い社員は、仕事に対してプレッシャーを抱えていたり、言い出せない心の不満や不安があるかもしれません。そうした気持ちを聞き出す機会が、長く働き続けられる理由になっていたりするものです。
代表 森川 祐子