いざメンタルヘルス研修!うちの会社はどの研修から始めたらいいの?
最高の組織力を引き出す!
メンタルトレーナーの森川祐子です。
メンタルヘルス研修を導入しようと思った時に、何から手をつけていいか迷いますよね。
対象者は?内容は?人数や時間は・・・?
そのような疑問に応えて、具体的にお伝えしていきたいと思います。
目次
いざメンタルヘルス研修を導入しようと思った時、何から始めたらいいですか?
まずメンタルヘルス問題ということで言えば、どこから手をつけたらいいのかは、「メンタルヘルス対策!ストレスチェックや研修を行うだけで十分ですか?」でご紹介しています。こちらの記事をご覧ください。
以上の前提を踏まえた上で、メンタルヘルス研修の導入に際して以下の点において見ていきましょう!
・事業規模(従業員数や売り上げ)
・業界(繁忙期の有無、従業員の労働時間、年代別割合等)
・わかる範囲でのメンタルヘルスの現状はどうか?
です。
1、メンタルヘルス対策の必要な事業規模
御社の従業員数はどれくらいでしょう?
50名未満:ストレスチェック実施は義務ではありませんが、努力義務が求められています。しかし、問題が起こるかどうかは、人数とは関係がありません。リスクが起きる確率というのは規模とは関係ありません。ひとたびメンタルヘルス問題が起きてしまうと、最悪倒産のリスクもあります。最低限の準備は必要です。
健康診断を実施したら、受けっぱなしになっていないか?心身の不調の兆しがあるにもかかわらず、対応(業務の差し替え等)を行なっていなければ、安全配慮義務違反ともとられかねません。その他、過重労働者はいないか?等も重要です。
50名以上:ストレスチェック実施義務ともに、産業医や衛生委員会の設置義務もあるため、ある程度管理体制があるものと思われます。しかし産業医の先生が常駐してないところもあり、従業員の方のなかには、産業医の先生の顔も知らないという人も珍しくないでしょう。つまり体制があっても、メンタルヘルス問題に取り組めているとは言えません。
従業員一人ひとりのメンタルヘルスへの意識づけを第一歩としてはじめていくといいかもしれません。
では、実際のメンタルヘルス研修導入事例として・・・
実際に研修をおこなった事例をご紹介いたします。ざっくり言えば500人規模以上の会社ですと、以下のように階層別に実施することが多いです。まずは管理職向けメンタルヘルス研修(ラインケア)を実施したうえで、セルフケアを行います。
それこそ数千人以上の規模の会社や組織ですと、管理職も係長&課長補佐、課長研修、次長職といった具合に細かに分かれて受講されます。
一方100名未満の企業だと、まずは管理職者向けにメンタルヘルス研修(ラインケア)を実施することからおすすめします。ちなみにラインケアとは部下のいる管理監督者(部長や課長)が職場環境改善の一環として取り組むものをさします。
最近のハラスメント研修の傾向としては、基本は管理職向け研修が多いですが、コンプライアンスの一環として、一時(いちどき)に全社員が受講する会社も増えています。
先日実施したA社1200人規模の会社では、リーダー層の方々に向けて3回(1回が30名程度)実施しました。全国にセンターがありましたので、一同が集まっての研修という形での実施となりました。
もう一つ、これは直近で実施したB社150人規模の会社(IT系)は2回にわけて、社長をはじめ全社員受講していただきました。
この会社は、一部社員の方が、他の企業に1人〜5、6人で出向き、先方の会社でお仕事をするため、日頃の勤務状況が見えません。そこで、ハラスメントのリスクを考え、全社員実施という形になりました。
本題とは少し逸れますがこの時に重要なのは、社長自らが参加する、もしくは冒頭でご挨拶をいただくことです。そうすることで、会社として本気の取り組みだな、ということが社員にも伝わります。
次に、先日伺ったC社は300人規模の会社ですが、ここでは男性が全従業員の95%以上を占め、職人気質の社員が多い会社です。そうすると若手社員が古参メンバーとのやりとりで、メンタルヘルス不調に陥ることがあったため、今では入社1年目でメンタルヘルス(セルフケア)を実施するようになりました。
1年目社員なので、10名以下での実施となりますが、メンタルヘルスの基本と、自らストレスケアができるようになること、一人で抱えないなどを伝えておくことで、離職やメンタルヘルス不調を防ぐことにつながります。
2、メンタルヘルス研修を導入している業界(繁忙期の有無、従業員の労働時間等)
研修を導入している業界は、さまざまですが、私がかかわる業界としては、自治体や官公庁、医療・介護系、教育系、運輸・運送系、IT系、コールセンターがあります。つまりは忙しい、お客様応対が難しいとされる業種です。
それだけにストレスが大きく、メンタルヘルス不調の問題は、他人事ではない状況の会社が多いです。
実際の導入事例として
2年にわたって、メンタルヘルス研修を導入していただいている運輸系D社は数万人規模の会社です。かなり多忙で、現場はシフトなどで区切られており、残業になる部署も多い職場です。そして年末をピークにやはり繁忙期があり、長時間勤務になることも少なくありません。
私が担当する前から、メンタルヘルス研修は導入されていましたが、やはりラインケアが中心だったようです。今回は全国規模ではなく、関東圏の一部エリアに限定しての実施でした。それでも昨年は管理職者様を対象としたもので1回20〜30名程度の研修を10回ほどに分けて行い、2年目は一般職向けセルフケアで24回の実施となりました。セルフケアは不調に気づけるサインは何かという具体的なうつの症状や、身近に「いつもと違う」様子の人がいた時に、どうヒアリングを行えばいいか、という内容でカリキュラム組みを行いました。
初年度、受けていただいた管理職者の方からのご紹介で、ありがたいことに別のエリアでも研修を担当させていただきました。
次はE社医療機関で導入したラインケアでは、課長以上、次長、部長、看護師長クラスを対象にメンタルヘルス研修(ラインケア)を実施しました。ここは6万人規模で、全国6つのエリアにわけて、管理職研修を行いました。
医療機関ですから当然、夜勤もあります。現場では恒常的に人手不足で、一人ひとりにかかる負荷がとても大きいとのことでした。医療機関ですから、メンタルヘルスのことはある程度は理解されているかと思いましたが、意外に触れる機会はなかったようで、新鮮に感じていただけたようです。
今や医療期間は技術だけでなく、高いサービスも求められているため、非常にストレスの多い職場だといえます。だからこそ、組織の根幹をささえる管理職者層への研修は、ラインケアを主としながら、セルフケア(管理者自身の)の内容を多めに取り込んだものとしました。
ここでも参加者のご縁で、鹿児島の病院でも研修をさせていただきました。
3、まとめ
以上のように、会社の規模や業種・業界、忙しさの状態に合わせて、はじめの一歩となる研修を決めていきます。そしてより詳しく現状をヒアリングしたうえで、同じラインケア(セルフケアも同様に)でもカリキュラムを組み替えています。
そのためには、人事・労務担当者の方から今の職場の状況(課題を含め)をお話しいただき、研修の対象者、内容、研修時間、予算に応じてご提案しています。
HP内「研修(コンテンツ)の選び方」を参考にしてみてください。
ご興味のあるご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。